昨日は乃木神社の例祭(乃木希典大将の命日)に参加。
「遺族の務めは祖霊祭(乃木さんのお父さんの命日)に出席することであって、例祭はどうでもいい」というのが祖母の考えだったので、これまで例祭に出席したことはありませんでした。
子どもを2人とも日露戦争でなくした乃木さんにとって、先祖の霊を祀ってくれる人がいなくなってしまうことは大変に気がかりだったはずで、遺言にも親戚にそのことをくれぐれも頼むという旨が記されています。祖母は乃木さんの遺言を守ることを最重視したわけです。
乃木さんには萩の乱で亡くなった弟(正誼)の他にも、もう1人弟がいたので、その弟に乃木家を継がせることもできたのですが、そうすることはしませんでした。
乃木さんは伯爵に叙せられたため、乃木家が続くということはその爵位も続くということになり、国に対して何の特段の功績もない凡人の弟が“伯爵”などになっては、お国に対してもうしわけがない、ということで、乃木さんはその弟、集作をわざわざ子どもの無い夫婦の養子に出してしまい、あえて乃木家断絶の道を選んだのでした。
潔癖症の乃木さんらしいエピソードです。
そういうわけではじめて参加した例祭は、祖霊祭よりもかなり盛大なものでした。
出席者はおそらく200人以上。
玉串奉奠のときに、出席者の中でも特に主だった方々の名前が呼ばれるのですが、全国各地の有名神社の宮司さんが集まっていたのにはびっくり。
明治神宮宮司、靖国神社宮司、東郷神社宮司、出雲大社宮司、橿原神宮宮司などなど。
また、統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長という自衛隊のトップ4が揃って参列されていたのにも、驚きました。
乃木さんが軍人であったことから、やはり国防に対する意識の高い人々が集まるのでしょう。中央乃木会会長が奉読された「祈願詞」も、最近の北朝鮮情勢や、中国韓国の歴史戦(事実に反する日本の悪口を世界中に言いふらしていること)など、日本の内憂外患に対する危機感を訴え、ご祭神のご加護を、と祈るものでした。
後から気づきましたが、田母神俊雄元航空幕僚長も参列されていました。朝日新聞を読んでいた昔は、田母神さんのことを軍国主義者の悪人のように思い込まされていましたが、実際の田母神さんは穏やかで知的でかつユーモアあふれたすてきな方で、日本の平和を守る方法を朝日新聞などとはまったく別の視点から教えてくれるので、わたしは一時期インターネット放送「虎ノ門ニュース」に田母神さんが出演するのを楽しみに見ていました。疑惑も晴れてもうじき復活されるのでは、と期待しています。
祭儀の最初のほうでは、お供えする神饌の載った三方が、ひとつひとつ運ばれてきて、それを見るのも楽しいものでした。
季節のお花、ご飯、お神酒(白酒と黒酒)、鏡餅、海の幸と川の幸、野の幸と山の幸、乃木うどん、紅白の葡萄酒とカステラ、塩と水。
写真が撮れなかったのが残念。
例祭が滞りなく終了したのちは、直会となりますが、こちらは質実剛健な乃木さんの人柄とは不釣り合いなほど豪華なお料理が出され、御初穂料を少ししか包まなかったわたしは冷や汗ものでした。松茸と鯛のお椀や、鴨のロースト、お造りのまぐろも忘れられないほどおいしかったー(感涙)。
直会の後は、一部の人たちが青山墓地まで移動して、墓前祭を行いました。自然石の簡素なお墓も、乃木さんらしいものでした。乃木さんのお墓は、青山墓地の「1種ロ10号26」という番地にあります。