沖縄でマングローブ林をカヤックで探険してきました。
場所は慶佐次湾(げさしわん)というところ。
マングローブは川の真水と海水とが入り混じる汽水域に繁殖する植物の総称で、ここではメヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギという3種類のマングローブが繁殖しています。慶佐次湾はヤエヤマヒルギの北限の地だということで、1972年の祖国復帰と同時に国の天然記念物に指定されました。
カヤックに乗る前にまず陸上でパドルの使い方の講習を受けます。前の人の動きに合わせて後ろの人もパドルを操ります。が、ちょっとボーっとしているとマングローブ林にぶつかります。
マングローブのタネは木から落ちてそのまま地面に突き刺さるのが3割程度。残りは川の流れとともに流れていくのだそうです。タネが漂流していくから「ヒョウリュウする木」がなまって「ヒルギ」になった、とガイドさんが解説してくれましたが、ほんとかなー? 親の木の下の地面に刺さっても日が当たらないので、たいてい枯れてしまいます。漂流していったタネは新天地で育ち、そうしてマングローブは繁殖を広げていくのです。
マングローブ林は生きものの宝庫。さまざまな種類のカニやハゼなどが生きています。ある種類のカニ(種名忘れました)は「はさみだけ赤いのがオス。甲羅だけ赤いのがメス。では甲羅もはさみも赤いのは?」「……」「ミッツ・マングローブ!」などと笑わせてくれるガイドさん。
ハゼは方言で「トントンミー」(だったかな?)と呼ばれており、始終動き回る落ち着きのない子どものことも「トントンミー」と呼ぶのだそうです。
「この辺りにはワニが出るので注意してください」というガイドさんの冗談を真に受けて笑われるわたし。タイではあちこちにワニがいたので、沖縄にも居るかも、と思ったけど、居ないそうです。
もう一艘のカヤックに乗ったガイドさんの説明を聞きながら波に揺られている間にわたしはすっかり船酔いし、早めに陸にあがりました。ベンチで伸びてしまったわたしのために、ガイドさんがわざわざ三線を持って来て弾きながら沖縄の歌を歌ってくれました。
臨機応変なサービスがすばらしい。沖縄の独特な音階もたまらなくすてき。
三線を弾くふりだけさせてもらいました。蛇皮の弦楽器はタイにもあって、共通点を感じます。はからずして琉球文化にも触れる機会をもらい、充実した時間になりました。