昨日は村田春樹氏の講演会「昭和天皇を拝してみる譲位のあり方」。
村田先生によれば、天皇陛下がお気持ちを表明し、それによって法律がつくられるということは、天皇は国政に関する権利を有しないという現憲法に抵触するものであり、そのお気持ち通りに譲位を制度化するということは、天皇の存在自体を憲法違反の危機にさらしてしまう、という。
譲位を認めるか認めないかは明治時代にも徹底的に議論されたが、天皇が陰の勢力によって意に反して退位させられたり、それによって日本国自体の安定が揺らぐことを懸念した伊藤博文の意見によって退けられた、という話は聞いていた。(下記スライドが「高輪会議」における伊藤博文の意見)
参考→http://www.sankei.com/politics/news/161010/plt1610100005-n1.html
昭和天皇の退位は何度も検討されたことがあったという。
昭和天皇ご自身も退位を考えられたことがあったが、それよりも天皇の地位にとどまり敢えて苦難を耐え忍ぶことを選ばれた。
日本人は情緒的で天皇陛下のお気持ちを汲んで差し上げたいと多くの人が考える。でも村田先生は「国事行為や祭祀を国民のために無事に勤めたいのに勤められない」というもどかしさにも耐えて終生天皇陛下でいていただきたかった、という。
↑昭和天皇の御製
天皇家の確かな存続を願うからこその苦言に考えさせられた。