乃木神社で正松祭と祖霊舎祭

今日は正松祭と祖霊舎祭のため乃木神社へ。IMG_3010祖霊舎祭は乃木家の祖先を祀る行事で、わたしの曾祖母が乃木希典の妹だったことから、母は大体毎年参列していたが、高齢のためそれも難しくなり、去年から代わりにわたしが行くことになった。

IMG_3004厳かに執り行われる儀式は雅楽の生演奏付き。わたしは雅楽が大好きで、このビヨーンという音を聞くと気持ちがハイになってしまう♪ 平安時代のような装束を付けた神職の方も6人くらい居て、結構な規模だ。IMG_3006

祖霊舎は現在修繕工事中とのことで、お社は臨時のしつらえ。神饌にしいたけはわかるが、レタスというのはちょっと謎な選択ではある。この季節、わたしならさつまいもあたりを選ぶだろう。

IMG_3005司会役の神職の方が「次はケンセンの儀。神饌をお供えします」とか「次はテッセンの儀、神饌をお下げします」などとアナウンスしてくれるのだが、これは「献饌」「撤饌」だろうか。よく見ると捧げものを運んでくるわけではなく、「献饌」のときには器の蓋を開け、「撤饌」のときには器の蓋を閉めるだけだ。蓋の中身はおそらく下はご飯、上は白酒(しろき)と黒酒(くろき)かな? 後で開けて見て確認したい!という欲求にかられたが、ちょっとそういうことができる雰囲気でなく……(^^;)IMG_3011

乃木希典の息子は2人とも日露戦争で戦死したため、自分が亡くなった後は、他の子孫が祖先を祀るように、というのが希典の遺言だった。しかし、そんな遺言を律儀に守ってきた世代がだんだんとこの世を去り、去年は親族はなんと5人だけで他は一般の方ばかり。このまま誰も来なくなってしまうのでは? と危機感を覚えたが、今年は私と同世代やその1世代下の20代の若者も居て、やや安心する。

祖霊舎祭の前に行われるのが正松神社の正松祭だ。

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正松神社は吉田松陰(松下村塾で多くの幕末志士を養成)と、玉木文之進(松陰の叔父で、松下村塾の開祖)を祀る。乃木希典の弟は玉木家に養子に入っており、希典も若い頃には文之進の元で学んでその薫陶を受けている。乃木家にゆかりの深い方々であることから乃木神社の敷地内に小さな神社が設けられている。

参加者は遠い親戚ばかりだけれど、直会(なおらい)の席で一緒になった人と話してみたら、比較的近い、はとこの家族だった。わたしはそのおばあさまに子どもの頃1度会ったことがあるのだが、品の良さと高貴な雰囲気が印象深く、とても懐かしい。養子に行った先の大連でお嬢様として育てられた人なのよ、と母は言っていた。

こうして親戚同士巡り合う機会が与えられていることも、ありがたいことだ。

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直会が終わると解散で、わたしは境内の宝物館へ。今年はちょうどNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で吉田松陰や玉木文之進が取り上げられていることもあり、そのゆかりの品々が展示されている。文之進筆の掛け軸。「富貴に淫(まど)わず、貧賤を楽しむ」 やっぱり、武士はこれだよね。

“貧賤を楽しむ”自分の人生の原点がまさにここにあるのを確認してしまうわたしだった。

IMG_3016ちなみにこの乃木神社の狛犬は彫刻家だった祖父が制作したもの、と母は言うのだが、ちょっと出来が今いちな気がして、わたしはやや疑っている。

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