日本最古の神社、大神神社

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遂に最終目的地、大神(おおみわ)神社です。

当初は山野辺の道を石上神宮からここまで歩き通す予定でしたが、時間が足りなくなり、巻向駅から三輪駅まで電車に一駅乗りました。山野辺の道(南コース)を途中の社寺や古墳に立ち寄りながら1日で歩くのはかなりキツイです。暑かったせいもありますが。

大神神社の拝殿。

大神神社には本殿がなく、ご神体は三輪山そのもので、拝殿から背後の三輪山を拝むようになっています。本来日本の神道は山や木など自然そのものを拝むものであり、本殿がないのはもっとも原始的な信仰の形態を伝えているといえます。

ここは日本最古の神社といわれています。古事記によれば、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が出雲の大国主神(おおくにぬしのかみ)の前に現れ、国造りを成就させる為に「吾をば倭の青垣、東の山の上にいつきまつれ」と三輪山に祀られることを望んだとあります。

つまり神武天皇御即位よりも前、神代の時代から三輪山信仰が始まっているのです。

大物主神は、この大和の地でもっとも有力な神であり、神武天皇が大物主神の娘を妃としたのも、大物主神を味方につけて大和の国を掌握することを狙ったためでした。

大神神社内の狭井神社。この横に三輪山への登山道の入り口がある。

三輪山は聖なる地であるため、長い間登山は禁じられていましたが、現在は神社の許可を得れば登ることができます。ただし、あくまでも信仰に基づいた登山が許されるのであって、観光目的での登山はできません。また、山の中で写真を撮るのは禁止、山中で見たものは口外してはならない、などの決まりごとがあるのも、ものものしさを感じさせます。

「大いなる物の主」はすべての精霊(もの)をつかさどる・統すべるという意味をあらわし、農業・工業・商業・医薬・治病・交通・縁結び・厄除けなどあらゆる幸福を人にもたらす守護神であるとされています。

大物主神を敬った崇神天皇は、お供えする神酒をつくるのを高橋邑の活日(イクヒ)に命じたところ、活日は一夜にして美酒を醸し、これは三輪山の神様が醸してくださった酒だとして讃えた、という話も残されています。そのため大物主神は酒の神としても崇められるようになりました。大神神社のご神木は杉で、神聖なものとされてきましたが、時代が下がると、酒の神である大物主神の霊威が宿る杉の枝を酒屋の看板とする風習が生まれ、酒屋の店先に酒ばやし(杉玉)を吊るすようになりました。

大神神社のご神木。

大神神社の入り口すぐ近くに地元の酒屋が店を構えてるのも、天理商店街の酒屋の軒先に杉玉が吊るされているのも、大物主が酒造りの神でもあるからなのですね。

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